□RTX1200でLTEドングルを使ってみる(テスト版)
先日の温泉合宿で使った「LTEモバイルルーター(BF-01D)+PlanexのVPN対応ルーター(VPN-41FE)」という構成で回線状態がメタメタだったので、ここはやっぱりYAMAHAさんか?RTXか?ということで知り合いのショップからRTX1200の中古をポチってテストしてみました。
ちなみにVPN-41FEはVPN対応だったのでそれなりの処理能力はあるだろう、 とおもっていたのだけど、実際には参加した生徒さんのsshとかwebとか切れまくりでひどいありさまだった(ごめんなさいごめんなさいごめんなさい) のでPlanexに性能を聞いてみたのだけど、どうやら問題はそこではないらしい。
そもそも事前の負荷テスト(abとかcurl-loader)では問題が露呈しなかったので、これはルーターのせいではないのかもしれない、という思いもあった。
その辺の検証もかねて、今回は月末のサーバー構築ハンズオンでの実地試験の準備を兼ねて、RTX1200をLAN接続(LANがないときにはLTE接続)、という構成で設定してテストしてみた。
CATVインターネットなどイーサネット回線を利用する
http://jp.yamaha.com/products/network/solution/internet/catv/
WAN回線障害時に備える(モバイルバックアップ)
http://jp.yamaha.com/products/network/solution/internet/internet-mobile_backup-rtx1200/
モバイルインターネット接続機能
http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/mobile-internet/index.html
この辺を参照しつつ、手元にある
DoCoMo L-02C 75Mbps/25Mbps
にIIJmioの標準SIM(10GBファミリーシェア)をさしてみた。
基本はLAN3にインターネット回線を有線接続するが、そのような設備がない 場所では、LTEのUSBドングルでインターネットに接続する。
ポイントとしては
- NAT descriptor IDはLAN3が1、LTE(pp 2)が2としてそれぞれを設定。
- LAN3はGoogleさんのDNS(8.8.8.8)にkeepaliveでicmp-echoして回線状況監視。
- で、LAN3のバックアップ回線としてLTE(pp 2)を指定。
- DNSはGoogleさんのDNS(8.8.8.8, 8.8.4.4)を設定。
- 回線切り替え判定は10秒くらいでするように設定。(待つのが面倒)
NATは回線別にdescriptor IDをわけないと、バックアップで切り替わった時に 外に出ていけなかった。
またDNSはdns server selectで回線毎に設定したかったがうまくいかなかった。
で、L-02Cをさすとこんな感じでちゃんと認識してくれる。
2016/03/09 15:07:11: [USB_HOST] device attached : vendor=0x1004 <NTT DOCOMO, INC.>, product=0x618f <docomo L02C>
2016/03/09 15:07:11: [USB_HOST] USB communication device is attached
ただし、RTX1200の起動直後はmobile signal-strength goで電波の強さを見ても
[MOBILE] Signal Strength (0-5): – [圏外] (usb1)
というように圏外扱い。
さらに、実際にLTE接続しているときには
[MOBILE] Signal Strength (—): PPインタフェース接続中です (usb1)
となって利用中は調べられない。
一度LTEが切断されないと判らないのは、仕組み上しょうがないんだろうけど、 RTX1200起動時に調べられないのはちょっと不便かも。なので起動時に強制的に 一度接続してしまうようにLuaでもなんでもいいから設定するといいかも?
(まぁLANケーブルを抜いたままで起動して、あとからさしてもいいんだけど)
で、実際にLANケーブルをぶちっと抜けば
2016/03/09 15:07:57: LAN3: link down
2016/03/09 15:08:01: [LAN] LAN3: switched to backup
2016/03/09 15:08:02: PP[02] IP Commencing: ICMP 192.168.120.100 > 8.8.8.8 : echo request
2016/03/09 15:08:02: PP[02] Calling iijmio.jp with usb1
2016/03/09 15:08:02: USB[1] SEND [ATD*99***2#]
2016/03/09 15:08:02: USB[1] RECV [CONNECT]
2016/03/09 15:08:02: USB[1] Connected
2016/03/09 15:08:05: [LAN] LAN3 Detect down via ping keepalive
2016/03/09 15:08:27: PP[02] PPP/IPCP up (Local: 100.76.104.203, Remote: None)
LTEに切り替わる。
で、LAN3にLANケーブルをさし戻して、監視先にicmp-echoが通れば、
2016/03/09 15:10:39: LAN3: link up (1000BASE-T Full Duplex)
2016/03/09 15:10:39: [LAN] LAN3: recovered from backup
2016/03/09 15:10:39: PP[02] Disconnecting, cause [No error.]
2016/03/09 15:10:39: USB[1] SEND SIGNAL [DTR=OFF]
2016/03/09 15:10:39: USB[1] RECV [NO CARRIER]
2016/03/09 15:10:43: PP[02] Disconnected, cause [No error.]
というように、LTEは自動的に切断して経路も切り替わるし、電波の強さも
[MOBILE] Signal Strength (0-5): 5 [|||] (usb1)
こんな感じで確認することができる。
■いくつか検証
1.ppとwan1だとwan1の方が速い!?
モバイルインターネット接続機能
http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/mobile-internet/index.html#cellphones
ここに
「PPインターフェース接続及びWANインターフェース接続共に対応している携帯端末の中には、
WANインターフェース接続の方が通信速度が速いものがあるため、WANインターフェース接続
にて利用することを推奨します。」
とあるので試してみた。(ただし、wan1をlan3のbackupにはできない)
L-02C(pp接続時)
- Ookla DOWN:8.07Mbps, UP:5.99Mbps (sumida) pingタイムアウト数回
- Ookla DOWN:6.97Mbps, UP:5.91Mbps (sumida) pingタイムアウト数回
- Ookla DOWN:8.10Mbps, UP:4.73Mbps (tokyo) pingタイムアウト数回
- USEM 3.824Mbps pingタイムアウトなし
- USEM 6.038Mbps pingタイムアウトなし
- USEM 3.993Mbps pingタイムアウトなし
L-02C(wan接続時)
- Ookla 途中で切断
- Ookla 途中で切断
- Ookla DOWN:11.99Mbps, UP:12.45Mbps (sumida) pingタイムアウト数回
- USEM 4.045Mbps
- USEM 途中で切断
- USEM 10.637Mbps
wan接続の方が安定しないので、pp接続の方がいいのかな?
どちらにしても、wan接続はバックアップとして設定できないのでpp接続にするしかないんだけど。
ちなみに、切れるときには以下のようにログ出力がある
2016/03/10 11:13:30: PP[02] Disconnected, cause [WAN connector trouble]
2016/03/10 11:13:30: [USB_HOST] device detached : vendor=0x1004 <NTT DOCOMO, INC.>, product=0x618f <docomo L02C>
2016/03/10 11:13:30: [MOBILE] Signal Strength (—): Could not find communication device. (usb1)
2016/03/10 11:13:31: [USB_HOST] Bus reset done
2016/03/10 11:13:35: PP[02] Mobile device is not attached. Call request is rejected
2016/03/10 11:13:35: [USB_HOST] device attached : vendor=0x1004 <NTT DOCOMO, INC.>, product=0x618f <docomo L02C>
2016/03/10 11:13:35: PP[02] Mobile device is not attached. Call request is rejected
2016/03/10 11:13:35: [USB_HOST] USB communication device is attached
L-02Cが悪いのか?それともLTE網が悪いのか、(´ε`;)ウーン…。
2.帯域制御
QoS機能の動作
http://jp.yamaha.com/products/network/solution/advanced/qos/point/
にある方法で試したが、LAN3やpp 2から出ていく帯域を絞るといいのかな?
と思ったのだけど、どうしてもシェービングできない。
理由はこちら。
「制御できるのは出力トラフィックだけ」
帯域制御のふるまい
http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/FAQ/Queue/queue-type-cbq.html
のこと。
なので、LAN1、LAN3、pp 2それぞれから出ていくパケットを絞ることで、上り下りともに帯域制御ができた。
3.OSとかアップデート制限
MicrosoftとかAppleとかのアップデートの際にアクセスするURLについて、url filterで、LAN3とpp 2からout方向にフィルターをした。
まんまとアクセスできません。:-)
4.LAN3にBF-01Dを接続するとどうなるか?
温泉合宿の時はL-02Cではなくて、BF-01Dの下に某ルータをぶら下げたので、同様にBF-01Dの下にRTX1200をぶら下げた状態でトラフィック負荷がかかった時にどうなるか確認してみる。
何回か負荷をかけると、やはり温泉合宿の時と同様のメタメタになった。(´Д`)ハァ…
pingは通っているのに(パケットロスしたりもするけど)WEBが通らないという状態はまさに温泉合宿の時と同じ。
これはBF-01Dの問題ってことかな?
■いろいろ検証してみて…
制限なくトラフィックをかけるとL-02Cは落ちるので、これは帯域制御で回避できるようになった。
LAN3も同様の帯域制御(上り/下りどちらも10Mbps)が効いてるのに、BF-01Dを接続した場合はWEBとかにアクセスできないというような問題が発生した。
このことから
- BF-01Dはルーターモードでトラフィック負荷がかかると動作がおかしくなる。
(配下のルーターがなんであるかは関係ないっぽい) - RTX1200+L-02Cでもトラフィック負荷がかかったりすると、接続が切れる。
(PP[02] Disconnected, cause [WAN connector trouble]で)
というわけで構成としては後者の方がまだまし。(再接続してくれるしね)
もっとも、後者の切れるときの切断コード(WAN connector trouble)は、YAMAHAによると
「WANポートの回線コネクタ抜けにより発信失敗」
切断コード表
http://www.rtpro.yamaha.co.jp/RT/docs/misc/disconnect-code.html
らしいので、もしかしたら別のLTEドングルにしたら、もっと安定するかも?と淡い期待を抱いてしまうなぁ…
■今後の予定
というわけで、今後の予定は
- RTX1200+L-02Cでハンズオンで実際に使ってみる。
(使い心地の検証) - L-02C以外の、新しめのLTEドングルで試してみる。
(セッションが切れるかどうか)
ですかね。